広島大学千原研究室

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1、 匂い刺激で免疫・行動・個体老化をコントロールできるか?

生き物は、匂い物質を感知することで周囲の状況を把握している。例えば、匂い物質の感知は、美味しい食べ物がある場所を見つけたり、近くに天敵がいるかを察知したりするのに役立っている。さらに匂い刺激は、生き物の状態を変えることも分かっている。例えば漢方・アロマセラピーなどの民間療法では、匂い(香り)による気分や体調の調節が可能である。私たちは、このような経験的な「匂い効果」を知っているが、なぜ、どうして、匂い刺激が生き物の生理状態を変えうるのか、それを科学的に説明するのは未だに難しい状況である。

私たちは、世代時間が短く、高度な遺伝学的手法を用いることが可能なショウジョウバエを活用することで、「嗅覚はどのように個体の生理状態(免疫、行動、個体老化)を制御しているのか?」という問いに答えるための研究を進めている。この研究を進めることで、将来的には、匂い刺激で免疫、行動、個体寿命を制御できるようになるかもしれない。

興味深いことに、線虫やショウジョウバエにおいて、嗅覚の変異体では寿命が延長することが報告されている(Neuron 41, 45-55, 2004; Science 315, 1133-7, 2007)。また、当研究室においても、独自に寿命延長する匂い変異体を同定している(未発表)。さらに当研究室では、「免疫システム」「共食い行動」に影響を与える匂い神経回路も見出しており、これらの神経回路および匂い刺激と生理状態の関係について研究を進めている。

さらに詳細を知りたい方は、千原()までご連絡ください。

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